8月24日(土)から8月25日(日)にかけて、福井にて開催された日本モビリティ・マネジメント会議(通称:JCOMM(読み:ジェイコム))にOTTOPの活動を紹介するポスター発表に中の人“たいかん”が行ってきました。
ここではポスター発表のことや興味深かった発表について書きたいと思います。
日本モビリティ・マネジメント会議(以下、JCOMM)とは?
JCOMMとは国内におけるモビリティ・マネジメント(通称MM)施策されることを目指して、行政、大学、コンサルタント、市民団体等のMM関係者が一堂に会するイベントです。私自身(岸本)はおそらく5回目くらいの参加になりますが、実務と学識がほどよいバランスの場と感じています。
このイベントのテーマであるモビリティ・マネジメント(Mobility Management, 以下、MM)という言葉ですが、「渋滞や環境、あるいは個人の健康等の問題に配慮して、過度に自動車に頼る状態から公共交通や自転車などを『かしこく』使う方向へと自発的に転換することを促す、一般の人々や様々な組織・地域を対象としたコミュニケーションを中心とした持続的な一連の取り組みのこと」を意味します。
発表されている取組はコミュニケーション施策を中心としつつも様々で、バスの利用者増を目指した官民連携の取組や、オンデマンド交通などの実証実験、小学生を対象とした公共交通利用促進に向けた教育などなどです。
私たち、OTTOPの活動も、バス・船舶等のオープンデータ化により経路検索等の各種サービスを通して、その先のエンドユーザー(県民・観光客等)が公共交通を身近に使ってもらうことを目指しているので、モビリティ・マネジメント的な側面もある!ということで参加してきました。
今回のOTTOPのポスター発表について
今回のOTTOPのポスターでは、「沖縄における観光と2次交通情報のオープンデータの地産地消の取組 ~NPO法人OTTOPのこれから~」と題し、OTTOPの設立の背景や取り扱っているデータと日々の活動、利活用の状況やデータを使った学びの場の提供等について、簡単に紹介するような構成としました。
このOTTOPのポスター発表では、さまざまな地域(北は北海道!)、そして大学等の教育機関から交通事業者、行政、コンサルなどさまざまな職種の方々と有意義な意見交換をしました。
意見交換のなかで毎回驚かれるのが、沖縄県だけでも50程度の交通事業者(コミュニティバス含む)が存在すること、そして、それらのデータをNPO法人化する前の5年間含めて、都度更新・配信を行っていることでした。
そのほか、自身の地域でもオープンデータ化とメンテナンスを一体的に取り組みたいので、OTTOPを参考にしたいという方々もいらっしゃいました。本取組をNPO法人化前から支えていただいた方々からはフットワーク軽く、もっと県外にも紹介していって!と励ましの声をいただきました。
個人的に興味深かった発表など
今回のJCOMMも興味深い発表が多くありましたが、私が個人的に興味深かった発表をふたつだけ記載しようと思います。
能登の震災後、刻々と変化する地域公共交通情報を一体的に発信していくというプロジェクトでした。本発表の知見のひとつに「普段から地域関係者同士のコミュニケーションが大切」とありましたが、OTTOPのようにデータを通じて日々連携していくこと自体に防災や事前復興的な可能性があるのでは、と感じました。(実際にOTTOPでは台風などの自然災害時の運休情報提供や先の津波警報発令時にも事業者と協力した発信も行っています)
ふたつめが、「オープンデータを活用した全国の移動サービスの評価」です。
学術機関(早稲田大学)によるオープンデータ等を用いてデマンド交通の導入の効果を検証するものです。OTTOPのデータもサービス提供だけではなく、こうした「データを使って何かを分析したい!」という方々にも広く使ってもらえればなと感じました。
その他、参考になるような発表も多くあり刺激になりました。我々、OTTOPとしても「地域とともに成長する新たなモデル」は始まったばかりですが、関係者の皆様と連携しながら取組を進め、来年以降も良い報告をできればと思った次第です。
もしかしたら、OTTOPにて提供しているデータを使って分析・検証した結果をOTTOP以外の方がJCOMMで発表するということも来るかもしれません。それこそ感無量です。